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既存ハウスの奥行の延長はおすすめしません

「育苗ハウスが手狭になったので、ハウスの長さを延長したい」
というお問い合わせについて、できれば延長はせず

隣に新しいハウスを建てていただければありがたいです。

 

最大の理由は、パイプの硬さが建設当時と現在では違うので、

同じ曲がり方にならず、肩の位置が変わり、

ハウスの形がずれてくるから、です。

 

パイプのハード化

平成26年に関東を襲った豪雪を機に、農業用パイプの硬さの

目安である引張強度の数値がアップしました。

引張強度がアップすることで、耐雪強度のアップを図るためです。


従来は引張強度400N(単位:ニュートン)だったのが、
現在は590Nから780Nまであります。
一般的にハード管、ハイテン管※、高張力管とも呼ばれています。

※ハイテン管・・・High Tensile Strength (高張力)管

 

硬いと曲げにくい

一方、硬くなると曲げ加工がしづらくなってきます。
同じように曲げても、また同じ湾曲になるよう力加減を工夫しても、
違う結果になってしまいます。

 

業者で異なる曲げ具合

平成27年以降に建てたハウスなら延長可能かというと、

そうでもないです。
アーチパイプの型は各社微妙に異なっているので、
その時の設計・建設業者とこれから依頼する業者が異なれば、
曲がり方も違ってくるので、肩の位置がずれ、
ハウスの形がいびつになります。

デメリットばかりです

ハウスの形が均一でないと、フィルムが張りにくい、
風あたりの強いところ・弱いところが出てきて

ハウスが倒壊しやすくなる、等デメリットが発生します。

 

また、延長工事を行うと、従来のフィルムはまだ数年はもつ

という状態でも工事の都合上、

廃棄して新しいフィルムを展張することになります。

 

既存ハウスの延長よりも、新ハウス建設をご検討いただければ

幸いです。

 

(同じころに建てた同じ間口・高さのハウスが複数棟あり、

 そのうちの1棟を解体して他の棟に付け足す場合は、

 肩の位置がそろうと思いますので、延長は可能です。)